お仏壇の洗濯、修復、修理の違いとは?

お仏壇の手直しには いろんな方法があります。
ここではその方法の違いを説明いたします。
お仏壇の手直し方法には 四種類あります。
 1・すす洗い
 2・お洗濯
 3・修復     ← 当社推奨の方法 
 4・簡単な修理調整
 の四通りの方法です。 なかなか知られていません。
1・すす洗いは、“すす”のみを洗い落とす方法。
 この利点は値段が安いこと。仏壇の建て付け、木地 塗り、金具の状態に問題がない場合に
 向いています。お客様の現地で薬品水・泡で洗浄する場合もあるほどです。
 しかしやり方が悪いとあとで金箔・塗が浮き上がる恐れがあります。要注意です。


2・洗濯仏壇は、仏壇を“洗濯”する方法
洗濯をする場合は、お仏壇を引き取り、大まかに解体し、苛性ソーダー水
または苛性ソーダーのお湯で着け置きを洗いをし
乾燥後古い塗の上から再度新しい塗りをします。
木地・下地はさわらなく昔のままで、下地がそのままなので目痩せも早いです。
仕上がり具合の割には結構値段がはります。
 薬品水に着け置きするということは、何十年かけて乾燥していた木地に水分が入り木地が
膨張します。乾燥していたスポンジを水に着けるような感じです。
納品後、だんだん時間をかけて収縮する際に、 古い塗と木地のはく離が起こります。
また下地は昔のままの為、木地の目痩せも早い段階で目立ってきます。
早くて10年位で再度修理が必要になることが多いのと思います。
以前にどこかで“洗濯”をされて、2回目を当社で修復・洗いするということがよくあります。
一般的に“洗濯”するということは この仕上げです。
■洗濯の工程(参考)
 ①解体→ ②部品を苛性ソーダ洗う → ③乾燥 → ④研ぎ → ⑤上塗り →
 ⑥金具打ち → ⑦組立箔押し → ⑧組立 → ⑨点検
3・修復仏壇は、仏壇を“修復”する方法 (当社推奨の方法)
修復の際は、お仏壇を引き取り、バラせるものはバラし、まず古い塗を紙ヤスリで研ぎます。
ここでの“洗濯”とは違う重要ポイントは 
“薬品水”を使わないこと。“薬品水”に着け置き洗いしないことです。
古い塗を紙ヤスリのみで研ぎ、再度下地から仕事をします。
■修復の工程
 ①解体 → ②点検 → ③虫食い木地交換 → ④荒研ぎ → ⑤下地 → ⑥下研ぎ →
 ⑦中塗 → ⑧中研ぎ → ⑨上塗(変わり塗(数回)) → ⑩箔押し →
⑪金具打ち(120枚~500枚位) → ⑫組上げ → ⑬点検
■新品の製作工程(参考)
 ①木地作成 → ②ヤニ止 → ③紙張 → ④下地 → ⑤下研ぎ → ⑥中塗 → ⑦中研ぎ→
⑧上塗(変わり塗(数回)) → ⑨箔押し → ⑩金具打ち(120枚~500枚位) →
⑪組上げ → ⑫点検
新品には解体、虫食い木地交換、古い塗を研ぐ作業がありませんので
修復は新品製作よりも手間がかかります。 値段も“洗濯”よりも正直高価です。
でも“洗濯”と“修復”どちらが長持ち、仕上がりが良いかはご納得いただけると思います。
“すす洗い”か“洗濯”か“修復”にされるか、何処でされるかは
その仏壇専門店の技量の説明を受け、さらに品質基準をどう持っているのかを
見極めて決めることをお勧めいたします。
4・修理は、仏壇を“修理”すること。
お仏壇は木製で、時間と共に扉が固くなったりして、簡単な修理調整が必要となります。
その調整を行うことを修理調整といいます。
御先祖様から引き継いだお仏壇をさらに代々引き継いでいくには
“洗濯”よりも“修復”をお勧めします。
お仏壇の修復は 大越仏壇