ミョウガの名前の由来は掃除と仏教!?
滝本仏光堂さまがオススメされていた『こころを磨くSOJIの習慣』を読みました。
雑念であふれた頭をリセットし、研ぎ澄まされた感性と穏やかな心を取り戻すマインドフルネス、
それがSOJI!
この本の中で、食べ物の「ミョウガ」の名前の由来について書かれていたところが面白かったです。
お釈迦様のお弟子の中に、「周利槃特(しゅりはんどく)」という、とても物覚えの悪い方がおられました。
周利槃特は、自分の名前すら覚えられないので、いつも首から名札をぶら下げていたそうです。
お釈迦様のありがたい教えも、朝に覚えても昼にはすっかり忘れてしまいます。
そんな周利槃特にお釈迦さまは「自分が愚かであることに気がついている人は、智慧のある人です。
自分の愚かさに気が付かないのが、本当に愚かな人です。」と説き、周利槃特に「チリを払おう、垢を除こう」と唱えながらほうきで掃除をするように指示しました。
それから周利槃特は、雨の日も雪の日も、暑くても寒くても、
一日も休むことなく「チリを払おう、垢を除こう」と唱えながら掃除を続けました。
そしてある日、「そうだ、チリや垢とは、私の執着のこころのことだったのだ」と気が付き、
ついに悟りを得るに至ったのでした。
その後、周利槃特が亡くなったお墓の後に、珍しい植物が生えてきました。
周利槃特は首から名札をかけていたので、その植物には「茗荷(ミョウガ)=自分の名前を背負って歩く人」
という名前が付けられたということです。
仏道を歩むということは、決して多くを覚えることではなく、なすべきことを徹底することが大事なのです。
周利槃特は真剣に掃除をすることで、ついに悟りを開くことができたのです。
ただ漫然と掃除をするのではなく、一心不乱に、専念して掃除をすることで、集中力が高まり、
心が整い、創意工夫が生まれ、意味が出てくるのだということです。
当社が取り組んでいる5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)にも通じるものがありますね。
ちなみに、この本のタイトルは「掃除」ではなく、「SOJI」とローマ字で表記されています。
前作「お坊さんが教えるこころが整う掃除の本」の英語版が発売され、掃除を「cleaning」として
翻訳されたことで、英国の記者から
「英国では掃除=cleanigという作業は誰かほかの人に外注しています。それではいけないのですか?」
と聞かれたそうです。
それに対して、
「掃除は修行であり、単なる作業とは違います。
あなたは坐禅や瞑想を、お金を払って誰かほかの人に自分の代わりににやってもらいますか?」
と尋ね返したそうです。
それ以来、掃除を海外で説明するときに、「SOJI」として伝えている、ということです。
いい本でした。